投資・資産運用詐欺に遭遇!?総額数十億円を溶かしたであろう運用会社の説明会に行ってみた!
こんにちは、フリーライターのくぼ(@kubocchi_rgb)です。
突然ですが、2年ほど前から出資していた投資案件の3万ドル(約330万円)が突如消えました。
先日、投資案件紹介者から夜深い時間に突如電話があり
「投資していた資金が溶けました」
という、突然の報告。
以前からやや怪しいと思う節がありましたが、流石に金額が金額なのでこたえましたね。
今回は、この投資案件の概要や説明会でのやりとり、投資詐欺案件に引っかからないための知恵などをお届けします。
国が年金制度崩壊を宣言するような発表もあり、これから投資をしようという人も増えるかと思いますが、投資詐欺には注意ということで参考にしていただけたらと幸いです。
投資したのは詐欺案件だったのか(案件内容)
事の発端は2017年10月。
投資家を名乗っている知人からの一本の電話から始まりました。
詳しいやり取りは覚えていませんが、僕は社会人2年目のときから資産運用の勉強会に参加するようになり、投資や資産運用の必要性は感じていたものです。
電話をくれた投資家さんを通じて、投資や資産運用の勉強会にも参加をしていました。
その勉強会きっかけで、(今回とは別の)投資案件を紹介してもらい、その案件で資産が少し増えたタイミングだったのは覚えています。
その投資家さんも同じ案件に投資していたので、当然こちらが出資していることも利益が上がっていることもわかっている状態。
次の一手を打つには絶好のタイミングでした。
では、どんな内容だったかを見ていきましょう。
海外での金取引案件
投資案件は投資する内容(投資先)が重要です。
当たり前といえば当たり前ですが、投資初心者や投資に関わったことがない人ほど、利率や得られる金額に目がいきがち。
今回紹介された(のちに参加した)案件は、香港やフィリピン、韓国で金(ゴールド)の取引をしている会社に出資というもの。
金の取引を行っている会社は、国を相手にして取引をしているため信用が高い。
また、国相手に取引をしているため、途中で逃げられるというリスクも低いし、継続的な収益が期待できるとのこと。
国の機関が絡んでいることや、考えられるリスクは「戦争などの国家的な問題が起こった場合は危ない。それ以外は大丈夫」ということで信用しました。
(もちろん運用におけるリスクもあり得ますが)
投資家から集めた資金で金の売買をし、あがった利益から、一部を投資家に配当として配布するという案件でした。
人生最大の出資
2017年秋に申し込みをしたこのゴールド取引案件ですが、年利10%の年間2回配当というものでした。
つまり、半年に1回、出資した金額の5%が配当されるということです。
そして、1年ごとに更新するか解約するかを選択できるというもの。
配当案件などにありがちな
「〇年間は資金を動かすことができません」
「〇年間は解約できません」
というようなことはなく、流動性のリスクも低いと判断。
それまでも投資で得た利益の一部を使って申し込みをしました。
参加費用は、一番少ない一口で30,000ドル。
およそ330万円ですが、当時のレートでは342万円。
現金を直接手渡しという方法でしたので、銀行でお金を下ろしにいきました。
350万円を下ろしたわけですが、この金額ではATMで下ろせず、窓口対応になります。
「このお金は何に使われるのでしょうか」
というように、お金の使い道を銀行窓口で聞かれます。
「投資商品を買うために使います」
と言ったら、特に突っ込まれることはありませんでしたが、銀行側は振込詐欺を警戒していたようです。
「これからこの金額を持って申し込みをしてきます」
と言ったのがよかったのかもしれません。
「振込みします」と言っていたら怪しまれたでしょうね。
僕にとってはこのような大金は人生初めて使うので、内心はドキドキでしたが。
別に怪しいことをするわけではないのに…お金のパワーはすごいものです。
そして、人生最大の出資となる350万円をリュックに詰めて、投資家さんのところへ行き、手渡しで申し込みを行いました。
投資家さんの自宅で手続きを行いましたが、他にも知り合いの人がいたので安心したのを覚えています。
しかし、知り合いがいたからと言って安心するのは早計ですので気をつけましょう。
これらが案件の紹介から申し込みまでの流れになります。
投資案件や配当に怪しい空気が流れ始める
申し込みまでは、すんなりいきました。
申し込み後は、契約をした会社(資産運用をする会社)からの、サイン入りの書面が送られてきて、契約が買わされたことを確認。
資金だけ持ってかれてトンズラされたわけではないということです。
あとは年利10%の配当(半年に5%の配当)を待てば良いという状況に。
さらに申し込みをした人たちがテレグラムというアプリでグループが作られ、そこに合流することになりました。
そこでは、情報のやり取りや状況の説明などが行われていたため、運営もしっかりしているものと思えましたね。
配当金の着金が遅れる
2017年10月に申し込みをし、翌月から運用がスタートすると言われていたので、計算すると最初の配当は2017年11月から半年後2018年4月のはず。
しかし
「マネーロンダリングが疑われている関係で送金が遅延している」
という案内が。
当然マネーロンダリングが関与する案件ではないのですが、配当金遅延の連絡が入ってきました。
国際送金がスムーズにいかないということは、経験したことがある人だとわかりますが至って普通の出来事です。
同じ投資の仲間内でも、国内の銀行から海外の自分の銀行へ送金しようとしたところNGが出され、送金できないという事実もありました。
資金を溶かした資産運用会社の説明でもありましたが、国際送金で遅延が発生することは不思議ではないので、この時点では
「よくあることだよね」
という気持ちでいました。
しかし、その後何ヶ月経っても2018年からスタートしたCRS(Common Reporting Standard:共通報告基準)という制度の影響で配当金の送金が遅れているという説明ばかりで一向に配当金が入ってくることはありませんでした。
その後、テレグラムのグループ内部でも不安視する声は増え、毎年年利10%の配当というシステムの雲行きが怪しくなってきました。
そして、担当していた投資家さんの計らいで、うちらのグループに関しては国際送金じゃない方法での配当金の送金を手配してくれ、なんとか最初の配当を得ることはできました。
(うちらのグループ以外は2019年6月現在でも配当はないとのこと)
最初の配当があったのは2018年10月。
予想よりも半年遅い配当でしたが、なんとか最初の配当を得ることができました。
しかし、その後も運用開始から1年後の配当も遅延、1年半後の配当も当然のごとく遅延となりました。
状況説明に変化がなくなる
1回目の配当は、遅くなったとはいえ、紹介してくれた投資家さんが動いてくれたことで得ることができましたが、2回目以降の配当も当然のごとく遅延し続けます。
さらに、国際送金の遅延という説明があった以降は、同じ理由で遅延が継続しているの一本調子。
グループ内で説明を求める声もあがりましたが、遅延理由はいつも同じで、ただただ現状がわからない状態で待つのみの状態が続きました。
そして、2019年5月のとある日。
業を煮やした投資者の1人がテレグラムで現状説明を求めます。
すると
「この週末に香港で状況説明を受けてくるので、週明けには回答ができます」
とのこと。
このようにして、僕自身としては2017年10月にスタートした配当案件が、2019年5月までに1回の配当のみで、状況もほとんど変わらないという状況でした。
投資詐欺を疑う痛恨の通告
国際送金の遅延によって配当金が遅れているという説明がずっと続いていたゴールド取引案件。
2019年5月に、業を煮やした人が質問をした週明けに衝撃の通告を受けることになります。
「週明けには状況がわかる」
「週明けには説明ができる」
ということでしたが、週明けでも説明はなし。
すると、投資家さんから一本の電話が。
「ん?突然の電話?」
過去に、別のことで電話があったので、ゴールド取引案件のこととは思わずに電話に出ました。
すると
「すいません…ゴールド取引案件の資金が溶けてしまいました」
との連絡。
この時、ショックを受けたかというと、正直な気持ちとしては
「やっぱりか」
という気持ちが大きかったです。
出資した342万円が消えたにも関わらず、自分でも不思議なくらい落ち着いていました。
いや、むしろどこかで諦めていたのかもしれません。
国際送金が遅れるのはあるにしても、半年以上も遅れるのは変だと思ってましたからね。
むしろ驚いたのは、資金を溶かした会社が説明会を開催するという知らせでした。
通常と言ってはなんですが、こうして資金を失ったり、顧客に被害を出した会社は、大きな会社じゃない限りトンズラすることがほとんどです。
過去に50万円の運用資金を飛ばした会社は、手紙一通で逃げましたからね。
なので、説明会が開かれるということが衝撃で
・状況も聞きたかった
・どんな説明がされるのか
・会場が修羅場になるのでは
様々な気持ちが交差しながらも説明会へ足を運ぶことにしました。
投資参加者から見えた人の本性
ある意味衝撃の「投資資金溶かしました説明会」は、2019年6月に開催。
金曜日の15:00からと19:00からの2回開催されることになっていました。
「投資は自己責任」
というある意味正解、ある意味で魔法の言葉、ある意味でトランプのジョーカー的な言葉があります。
もちろん投資は自己責任ですが、19:00からの説明会はサラリーマンの人が仕事終わりに来るはずなので
「15:00の会より荒れるだろう」
と予測し、15:00の説明会に参加。
同じ投資グループの仲間も参加しており、久しぶりの再開なども。
予想していたよりも人が多く、この案件への参加者が決して少数ではなかったことに驚きました。
開催前は、ほとんどの人が口を開かないというピリピリムードで説明会が開始。
当然といえば当然ですが。
ですが、この説明会は予想以上に人の本性が出る時間となりました。
とにかく問い詰める人たち
説明会が開始になると、資金を運用していた会社の社長ではなく、共同経営者(株主)の人が登壇し状況の説明と謝罪とともに、今後の弁済計画も発表されました。
簡単にまとめると、僕たちが契約をした資産運用会社(A)が、より良い投資効率を求めるために、独自の判断で別の会社(B)に資産運用をお願いしていたことが判明。
そのBの会社が運用資金を使い込み、僕たち投資家の資金がなくなったとのこと。
資金管理体制など、様々なツッコミがありましたが、参加者(出資者)でも人柄が大きく分かれました。
まず、とにかく責任追及する人たち。
「なぜこんなずさんな管理なのか」
「従業員は何人いるのか」
「それじゃ最初に言ったことと矛盾しますよね?」
「あくまで予測でしょ?」
「弁済計画は良いけど今日ここでドロンされたら終わりだからね」
「あなたの自宅の住所と連絡先を教えろ」
「弁護士は誰なの?今ここで電話して提示して」
「言ってることが信用できないからなんでもいいから証明用にサインして」
「説明されても全く信用できない」
他にも様々あがりましたが、想像以上の修羅場でした。
今後を考える人たち
先ほど並べたのは、すでに起こったことに対しての追及をメインにする人たちでした。
しかし、すでに起きたことはなかったことにできません。
そして、投資にリスクは付きものです。
それがわかっている人たちは、原因の追及よりも、弁済計画に対しての質問をしていました。
「どういうスキームなのでしょうか?」
「いつぐらいにこの計画は走り始めますか?」
「その計画に存在するリスクはどんなものでしょう」
「我々への報告はどのように行いますか?」
資金を失ったということは変わりありませんが、過去の原因を追及する人と、これからのことを考える人に分かれました。
中には「投資に手を出しちゃいけないでしょ」と思われても仕方のない人もいましたが。
大きな金額が関わっているとあって、人の本性が見えた説明会となりました。
投資でうまくいかない人の条件
この説明会で見えてきたことがあります。
それは「投資でうまく行かない人の条件」です。
この説明会に参加した人は、失った金額はそれぞれですが、大金を失ったことに変わりはありません。
みんな平等に資産を失っています。
最低が30,000ドルですので、最低でも僕と同じように330万円ほど損失しているということになります。
中には1億円入れたという人もいたとか。
しかし、投資の原則として
・分散投資
・投資にリスクは付きもの
というものがあります。
説明会で、相手に責任追及をしていた人はこれらができていなかったのではと思います。
「信用できない」
「連絡先を提示しろ」
「ちゃんと弁償しろ」
「この先も配当出してくれるんですよね?」
などの質問をした人は、恐らくですがこの案件に賭けていた人かと。
年利10%ですので、仮に2000万円を運用すれば、それだけで年収200万円は確定。
このように考えて、この案件に一点集中してた人は冷静に今後を考える余裕もなく
「資金を返せ」
「逃げるなよ」
という風になった背景があると推測できます。
あくまで推測です。
投資は分散と、資金管理が重要になります。
投資でうまく行かない人は
・分散投資
・資金管理
・投資する前の勉強
これらが大きく欠けています。
かつて、芸人さんで暗号通貨(仮想通貨)にお金の大半をツッコミ、Coincheckでハッキング事件が起きたときに、財布の中身と電子マネーしか残っていないということがありました。
投資には必ずリスクが付きものですので、一点集中、一点掛けのようなギャンブル的投資はやめておきましょう。
別記事では、お金持ちの特徴やお金持ちの定義についてまとめています。
闇雲にお金を追いかけてもお金持ちにはなれません(自戒も込めて)。
お金との向き合い方を考えてみましょう。
また、気がついたらお金がないという人は、人を貧乏に陥れるとある法則にハマっています。
その法則についても解説していますので、参考にしてみてくださいね。
投資で詐欺に遭わないためには
今回の投資案件は、詐欺と決まったわけではありません。
むしろ、説明会を開催し、弁済の計画まで用意しているのである程度は信頼できる会社かと思っています。
もちろん、この先がどうなるかは神のみぞ知るところです。
しかし、今回の経験や会場の人を見て感じた、投資案件で詐欺に遭わないためにできることをお届けします。
今後は投資が必要になる時代ですので、そこにつけ込んでくる詐欺案件に引っかからないための知恵として考えていただけたらと思います。
投資経験の豊富な人に相談する
投資案件の紹介というものは、個人的やクローズドで行われることがほとんどです。
大々的に募集をするということは基本的にありません。
なので
「ここだけの話」
「うちらだけの有料案件でね」
というような希少性をうたって案件を持ちかけてくることがあります。
今回の案件も、紹介者が個別(電話での案内)で持ってきたものですので、案件がきた場合、必ず投資家さんや投資に詳しい人に相談をしましょう。
なるべく、客観的な視点で物事を見てくれる人が好ましいです。
同じ案件に参加している投資家だと、参加する方向に話を持っていきそうですからね。
毎年〇〇%の配当案件は疑ってかかる
今回の投資案件は年利10%の案件でした。
日本国内にいると、年利10%という利率はとんでもなく高い利率です。
銀行の普通預金では0.001%という世界ですからね。
しかし、高利率の配当をうたって、すぐにトンズラするケースや、配当を2,3回出してから逃亡するポンジースキームなども存在します。
出資者の参加費を配当の一部として使用するポンジースキームは「年利〇〇%」とうたっていることがほとんどですので、高利率の配当型案件は注意が必要です。
よく調べて、他に似たような案件で被害が出ていないか調べる癖をつけましょう。
案件を理解する
今回はゴールドの取引による運用案件でしたが、参加者の中には
「仕組みがわからず、ちんぷんかんぷんな質問をしてしまうかもしれませんが」
という前置きをして質問をしている人がいました。
会場のほとんどの人が単純にこう思ったはずです。
「なんで投資をしたんだ」と。
客観的にこの文章を読んでいる人は
「そんな人いるの?」
と思うかもしれませんが…います。
というよりいました。
恐らくですが、リスクが低く年利10%で安心という言葉を聞いて、案件の中身がわからず結果を期待して出資したものと思われます。
金額の大小に関わらず、どんな案件に出資するのかは把握しておきましょう。
まとめ
投資にリスクは付きもので、分散投資が必須です。
これは説明会に参加をして改めて感じました。
僕自身、大きな痛手を追いましたが、再起不能になったり、まともな精神状態を崩壊するまでには至っていません。
過去には大きな収益をあげていたYouTubeのチャンネルも消えていますし、人生は良くも悪くも何が起きるかはわからないということです。
僕も含めて、日本人はお金に関してや投資に関して、世界と比べると知識が圧倒的に乏しいのが現実。
決して失敗してから学ぼうということではありませんが、今後の世の中は政府が老後に2,000万円必要と言っているように、投資が必須になってきます。
すぐに身につくものではないので、少しずつでも投資やお金の勉強は始めておくべきです。
焦って一点賭けみたいな投資をすると、今回なことがおきます。
幸い、弁済の計画がありますので、これがうまくいけば資金は返ってきます。
ですが、このようなことは基本的にないものと思った方が良いでしょう。
この体験談を通して、少しでもお金や投資に対する意識があがってもらえたら嬉しいです。
投資を行う際は慎重に。
※※※ブログランキングに参加しております。この記事がよかった、役に立ったと思う方は応援よろしくお願いします!※※※
クリエイティブライフランキング