個人事業主の税務調査体験談〜調査当日編〜恐怖のやりとりを一挙公開

個人事業主の税務調査体験談〜調査当日編〜恐怖のやりとりを一挙公開
くぼっち
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こんにちは!くぼ(@kubocchi_rgb)です。

個人事業主として活動して2年目の2019年7月19日(金)に税務署から突然「税務調査実施」の連絡を受け、人生初の税務調査を体験することになりました。

連絡を受けてから当日までの流れは別記事でまとめていますので、今回は税務調査当日のやりとりをご紹介していきます。

(連絡から前日までの記事リンクは記事後半にあります)

どんなことを聞かれるのか、どこまで調べられるのかなどを中心にお届け。

誠実に対応することが大前提ですが、税務調査官の言葉を鵜呑みにしてはいけないと感じた点もありますので、参考にしていただけたらと思います。




 

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個人事業主の税務調査〜個人宅編〜

僕は自宅を事務所として使っていましたので、税務調査は自宅で行われることになりました。

(事務所を借りている人は事務所で行われるとのこと)

ここでは税務調査の当日の流れについてお届けをしていきます。

税務調査の開始時間

事前の連絡でも通知されますが、税務調査の開始は基本的に午前10:00からスタートのことが多いようです。

僕自身も10:00スタートでした。

立会いをお願いしていた税理士さんとは9:45くらいに自宅で合流し、税務調査の流れなどについて軽く雑談をしていました。

そして10:00頃になると自宅のベル(ピンポン)がなり税務調査官が到着。

ここから税務調査がスタートです。

出会い頭から険悪ムードで迎えるのはよくありません。

誠実な対応を心がけましょう。

税務調査官の人数は

実際に税務調査にきた調査官は合計で2名。

男性1名と女性1名でした。

ふくよかな中堅っぽい男性と、若いキレイな女性でしたので、もしかすると現場研修がてらに連れてきたのかもしれません。

あるいはキレイな女性を連れていくことで心理的に油断を誘っているのかも(考えすぎ?)。

人数に関しては事前の連絡で通達されます。

僕の場合は個人事業主2年目の弱小事業主ですが、なぜか2名くることになりました。

狭いワンルームの部屋に大人が4人がいるという狭苦しい中での税務調査に。

人数はどのようにして決まるかは不明ですが、こちらからすると税務署から事前通知されるまではわかりません。

初めは挨拶や雑談から入ってくる

税務調査に入る前に、玄関先で税務署の人間という証明に警察手帳のようなもの(税務手帳と名付けます)を見せられます。

これはしっかりと確認しておきましょう。

その後、改めて名刺を受け取ることになります。

税務官の手帳と名刺が相違ないかは必ず確認が必要。

というのも、税務官を装った悪質な詐欺があるからです。

税務手帳と名刺を必ず確認ということを忘れずに。

調査官にもよると思いますが、物腰柔らかく挨拶をしてきます。

ですが、油断はしないでください。

相手は遊びできているわけではありませんからね。

全ては税金を少しでも多く取り立てるための布石です。

昼休憩がある

実際に聞かれたことはあとで記しますが、やりとりをしていくとお昼に差し掛かることもあります。

僕の場合は、11:40頃に

「一旦休憩を挟みましょう」

という提案(ほぼ強引に)を受けてお昼休憩に。

質問されるボリュームが少なければ午前中に終わることもあるそうです。

僕の担当の税理士さんは午前中に終わらせることができなくて悔しがっていました。

これは調査内容で変わりますが、お昼休憩が約1時間ほどあると覚えておきましょう。

確認書にサインと印を押して終了

税務調査官がお昼休憩の間に、調書のようなものを作成します。

議事録みたいなものとも言えますが、どのような質問をされてどのような回答をしたかは全て記録されます。

その記録をまとめた用紙を調査官と共に確認をして、相違がなければサインとハンコを押して税務調査は終了。

一連の大まかな流れは以上になります。




 

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個人事業主の税務調査で実際に聞かれたこと

税務調査の流れは把握できたと思いますが

「どんなことを聞かれるのか」

ここが一番気になると思います。

僕が実際にどんなことを聞かれたのかをご紹介していきます。

前提として、税務調査の事前連絡編で記載しましたが、僕は節税コンサル詐欺に遭って税務調査を受けることになりました。

今回聞かれた内容は必ず皆さんに当てはまるかどうかは不明ですので、参考程度の気持ちで見ていただけると幸いです。

まずは雑談から始まる

午前10:00に税務調査官が自宅に来て、すぐに事業についての説明などが求められるわけではなく、雑談を交えながら調査の内容について説明を受けます。

雑談とはいえ、相手(ここでいうところの僕)の緊張感や警戒心を解くために雑談を交えてきます。

何度も言いますが、相手は税務調査(税金を取りに)にきています。

うかつにベラベラ喋る必要はありません。

丁寧に返答していくイメージです。

僕の場合は8月1日の猛暑日に税務調査が行われましたので、暑さのことに触れた雑談がありました。

調査の入り口としては穏やかな雰囲気でスタートします。

(調査官にもよるとは思いますが)

事業内容の説明を求められる

税務調査にくるということは確定申告をしているはずです。

(無申告の人はどうなるかはわかりませんが)

僕は平成29年と30年の確定申告を提出していましたが、税務官はその2年分の申請書と青色申告決算書を持っていました。

そして、その内容を元に事業の説明から始まります。

僕は当時YouTubeやブログでの広告収入がメインで、そこからライター業に移っていったわけですが、その内容や取引先の会社名、契約書や請求書の有無などを聞かれます。

広告収入はグーグルからの振込ですので

「グーグルから銀行口座への振込ですので契約書などはありません」

というやりとりになりました。

ライター業については請求書などが存在しますので

「ライター業に関しては請求書がデータで存在します」

というやりとり。

請求書や契約書がある場合は、税務調査当日までにデータで揃えておくと良いでしょう。

過去の収入や現状の収入を聞かれる

これまでの収入の経緯や現状の収入も聞かれます。

どんな事業でどれくらいの月収なのか、そして保有している銀行口座を聞かれます。

僕の場合、YouTubeで大きな収益をあげていましたが、チャンネルが削除に遭い収入が激減したこと、保有している銀行口座も全て話をしました。

もっといえば

「なぜチャンネルが消えたのか」
「チャンネルが消えたのはいつか」
「どんなチャンネルを運営していたのか」
「チャンネル登録者はどれくらいだったのか」
「再生回数はどれくらいだったのか」
「広告収入とチャンネル規模、再生回数の関係性」

など、YouTubeを運営していない人にはわからないであろうことまでも聞かれました。

過去の確定申告に合わせてこれまでの事業を聞かれ、現状の収入についても聞かれることになります。

僕はライター業をメインにしていましたので

「どんな会社で」
「どんな記事内容」
「単価はどのようにしてきまるのか」
「月あたりの納品数」
「契約に至った経緯」
「何月に契約」
「何月に契約解除」

とにかく事細かく聞かれます。

別に難しい内容ではなく、これまであった出来事を素直に話せば大丈夫です。

現状の収入に関しては、税金の支払い能力があるかの参考にされると思いますので誤魔化さずに現状をしっかり話しましょう。

最終的には、現状の預貯金がいくらあるかを聞かれます。

口頭で答えるだけではなく、貯金通帳の提示を求められますので、全て提出しましょう。

聞かれたこと番外編

税務調査を受けていく中でわかったのですが、僕への今回の調査目的は節税コンサル詐欺に遭ったことが原因です。

他の方はこの部分はあまり関係がないと思いますので、体験談として見ていただけたらと思います。

税務調査事前連絡編の記事でも書きましたが、節税コンサルを提供していた会社に国税が捜査に入り、節税ではなく脱税を斡旋していたというもの。

つまり、僕は節税と思っていた受けていたサービスが、税務上では脱税になっていたということです。

この点については

「そんなの関係ある?」

というレベルまで聞かれました。

というのも、この節税詐欺コンサルで取り扱っていたのは暗号資産(仮想通貨)の節税コンサル。

つまり、ビットコインなどの売買について詳しく聞かれました。

税務調査の連絡を受けて、自分で調べた結果、詐欺に遭っていたことが判明。

事実がわかった時点で修正申告を行いました。

ここまでは税務調査前日までに終わらせています。

ですが、税務調査当日聞かれたことは

「仮想通貨の取引履歴」
「利益の出し方(計算方法)」
「取引の頻度」

ここまでは理解できます。

資料も準備していました。

問題はここから。

僕は知人の紹介でビットコイン(仮想通貨)を知ったわけですが

「いつビットコインを知ったのか」
「ビットコインをどのような話題で知ったのか」
「知人の名前」
「知人と知り合ったきっかけ」
「知人と知り合った場所」
「その知人と会ったのはいつなのか」
「最近その人とは会っているか」

このようなことを聞かれました。

仮想通貨の税金に対しての調査なのに「平成〇〇年の〇月頃に〇〇さんと知り合った」などは関係がないはずです。

これは税理士さんも調査に関係のない無駄な話と言っていました。

このような無駄な話が原因でお昼休憩を挟むことになったんですけどね。

何度も言いますが、相手は税金を取りに来ています。

少しでも課税できそうな点がないかを探っていますので、関係のないことは喋らないようにしましょう。

はっきり言って時間の無駄です。

特に僕のように時間を売って給料を得ていない個人事業主(成果で報酬をもらう形態)は、こうしたダラダラ時間を使われると正直イライラしがちです。

相手は公務員ですので、短時間で仕事を終わらせようという意識は低めだと思います。

ですが、そこは冷静になって対処しましょう。

冷静さを欠いては相手に付け込まれるだけです。

あまりにも調査と関係のないことを聞かれる場合は

「それって税金と関係ありますか?」

と聞き返しても良いでしょう。

重ねて言いますが、あくまでも冷静かつ誠実に。




 

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個人事業主の税務調査当日における注意点

税務調査当日のやりとりをここまで記してきましたが

「そんなことまで聞くの?」

という点もあったかと思います。

ここからは税務調査当日の注意点についても、自分なりに感じたことをお届け。

個人的な見解ですので、全ての事象に当てはまる訳ではないと思いますが参考にしていただけたらと思います。

誠実に対応する

まずこれは鉄則です。

税務調査当日を迎えるまでは、精神的な苦痛や肉体的な苦痛などが発生します。

仕事をしながら調査に向けての行動をしなければならないからです。

正直ストレスやイライラなどが募ったり、中には体調を崩す人もいると聞きました。

ですが、どんなに大変な思いをしたからといって、不誠実に対応したり、不機嫌に対応するのはやめましょう。

相手も人間です。

また、ごまかしも一切厳禁。

仮にごまかして、あとからバレれば追徴をもらって罰則が増えるだけです。

計算ミスなどはあとで修正申告をすれば良いだけですので、収入や経費についての説明はしっかり誠実に行いましょう。

余計なことはしゃべらない

相手は税金を取りに来ています。

また、時間をダラダラかけてくる傾向を個人的に感じました。

成果で報酬を得ている個人事業主さんの場合、正直イラっとする可能性も。

本来の目的と外れていると感じる部分で余計なことは話さないようにしましょう。

僕の場合の

「〇〇さんと平成〇〇年〇月頃に都内の〇〇区の〇〇イベントで知り合いました」

などはもはや不要案件です。

すると

「そのイベントは何人くらい集まっていましたか?」
「主催の会社または主催者の名前は?」
「知人は何をしている人?」

などの余計な質問が増えます。

税金に関係のないと思われる余計なことは喋らないでおきましょう。

貴重な時間を奪われます。

税理士さんに立ち会ってもらう

個人事業主の場合、確定申告は自分で行っているという人も多いと思います。

ですが、税務調査は税理士さんに立ち会ってもらうことをおすすめします。

本当に何度も言いますが、相手は税金を取りにきています。

税金に知識のない個人事業主が、税務調査官の言いなりになってしまうと、払う必要のない税金も上乗せさせられるかもしれません。

税金のプロである税理士さんに立ち会ってもらうことで

「それはこういう理由ですので」

という交渉・反論ができます。

必ず税理士さんに立ち会ってもらいましょう。




 

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税務調査で税務調査官に感じた違和感

税務調査は調査官によって結果が大きく変わると言います。

税理士さんもそのように言っていましたので、正直不安が大きいものです。

だからこそ経験豊富な税理士さんに立ち会ってもらうことをおすすめしますが、ここからは僕なりに税務調査官に感じた違和感をお伝えしていきます。

前もってお伝えしますが、何も税務調査官を批判したり否定するということではありません。

ただ、言いなりになるのは危険と感じましたので、その点はご理解いただけたらと思います。

真実を語ってくるとは限らない

僕の今回の税務調査の大きな原因は

「仮想通貨関連の節税コンサル詐欺」

にまつわるものでした。

LSIホールディングスという会社がその詐欺会社なのですが、この会社に関わった人(おそらく顧客名簿から検索)を中心に税務調査を行っていると当日言われました。

ですが、税務調査の事前連絡では

「税務調査はランダムで調査を行っています」

という内容で通知を受けています。

つまり税務署としては「LSIホールディングスに関わりのある人物だから調査を実施する」ということは事前に決まっていたということになります。

ですが事前連絡では、その事実を伏せています。

これは何故なのか。

僕の勝手な予想ですが、加算税を上乗せして取り立てる税金を少しでも多くするためではないかと思っています。

事前に通達すると、効果があるなしに関わらず対策をされることになりますからね。

事前連絡を受けたら、一度自分で怪しい点がないかを探って見ることが重要です。

もし見つけたら、税理士さんに相談をして一刻も早く修正申告をしましょう。

圧力をかけてくる場面もある

税務調査当日の中で、ひとつだけ納得のいかない部分がありました。

「税金と関係のない質問が多い」

という点ではなく、まるで

「加算税を上乗せしたかったのに……」

と感じる発言がありました。

税務調査を行う場合、調査官は過去の申請書のデータを持って調査にきます。

僕は税務調査の前日になんとか修正申告を提出しました。

これは税理士さんと相談をして決めましたし、何も悪いことではありません。

税務調査の連絡を受けたからといって、修正申告は提出してはいけないというルールはありません。

しかし、税務調査の当日

「修正申告を提出済みです」

という話をしたところ

「それは困りますね。税務調査終了後に提出していただかないと」
「決まった手順で提出をお願いしたかったですね」

という調査官の発言が。

これには税務に知識がない素人なりにも、事前に税理士さんに相談をしていたので違和感を感じました。

決まった手順があるのなら事前連絡時に通達したら良いはず。

そして、国税のホームページにはこのように記載されています。

(2) 納める税金が少な過ぎた場合や還付される税金が多過ぎた場合

この場合には、修正申告により誤った内容を訂正します。
修正申告をする場合には、次の点に注意してください。

イ 誤りに気がついたらできるだけ早く修正申告してください。

修正申告をしたり、税務署から申告税額の更正を受けたりすると、新たに納める税金のほかに過少申告加算税がかかります。
この過少申告加算税の金額は、新たに納めることになった税金の10%相当額です。ただし、新たに納める税金が当初の申告納税額と50万円とのいずれか多い金額を超えている場合、その超えている部分については15%になります。

(注) 1 税務署の調査を受ける前に自主的に修正申告をすれば、過少申告加算税はかかりません。(ただし、平成29年1月1日以後に法定申告期が到来するもの(平成28年分以後)については、調査の事前通知の後にした場合は、50万円までは5%、50万円を超える部分は10%の割合を乗じた金額の過少申告加算税がかかります。)

2 確定申告が期限後申告の場合は無申告加算税がかかる場合があります。

国税庁ホームページ

また、税理士ドットコムという税理士さんに質問などができるサイトで、修正申告や過少申告について税理士さんがこのように回答しています。

・税務調査の事前通知前に修正申告する場合⇒加算税なし。
・税務調査の事前通知後、税務調査開始前に修正申告する場合⇒5%の過少申告加算税。
・税務調査開始後に申告漏れが発見された場合⇒10%の過少申告加算税。
・税務調査開始後に「隠ぺいや仮装」による申告漏れが発見された場合⇒35%の重加算税。

税理士ドットコム

これらを参考に、今回うちにきた税務調査官の発言を考えると

「税務調査を実行する前に修正申告をされると、過少申告税と重加算税の可能性が低くなるからやめてほしい」

という風に聞こえます。

僕は税務調査の事前通知後、何回も税理士さんと相談をして修正申告までを行いました。

例を参考にすれば、税務調査の事前通知後、税務調査開始前に修正申告しましたので「5%の過少申告加算税」の可能性が高いはずです。

ですが調査官は

「税務調査終了後に修正申告を提出していただかないと」

と言っていました。

自分の中ではおおよその検討は付いていますが、これが何を意味しているのかは皆さんのご想像にお任せします。

修正申告の可能性が出た場合は、とにかく早く申告しましょう。

税務調査の事前連絡から当日までの流れは別記事でまとめていますので参考にしてみてください。

まとめ

税務調査当日の流れや内容についての体験談をお届けしました。

調査の内容は、行っている事業で変わりますし調査官によっても変わります。

ここでご紹介したものはあくまで体験談です。

個人事業主で税務調査に入られるようなことがないことに越したことはないですが、もし事前の通知が来たら誠実に対応しましょう。

また、僕が感じた違和感のような出来事もあります。

必ず自分で考えるのではなく、税理士さんと相談をして立ち会ってもらいましょう。

相手は税金を取りにきています。

調査官の「修正申告は税務調査後に……」という発言からもこのことがわかると思います。

ミスがあることは悪いことではありません。

ですが、ミスに気が付いたらすぐに修正しましょう。

税金に限った話ではありませんが、誠実、素直に物事と向き合うことが大切です。

ですが、最後に。

詐欺師でも税務調査官でも、人のいうことをそのまま鵜呑みにするのは危険ですので、専門家と相談する癖をつけておきましょう。

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